吾輩は猫である ―カーテンレールにぶら下がっていた時考えたこと―

キャットタワーに登って
部屋の中を見渡していると
気になることがあった

ここより高い
天井に触ってみたくなって
とびかかろうと思ったが
一瞬ためらってしまった

落ちたらどうしよう
そう思ったが
格好の場所が見つかった

瞬間、行けると思って
窓にあったカーテンレールにとびついて
ぶら下がって
後ろ足で蹴上がろうと思ったが

いつも爪を短く切られていた吾輩は
後ろ足でカーテンを掴まえることができず
必死に前足でレールにぶら下がったままでいた

少しみじめな一瞬であった

それ以来
そんな冒険はしばらくしなくなって
キャットタワーより高いもの
冷蔵庫より高いものには
登りたくっても静かに眺めている