夕陽  ‐夕陽が浦にて

自宅を早く出て
湖西をメタセコイヤの並木道を通って
北へ向かった

以前来た時は台風の通りすぎた後で
樹々の枝々が落ち
幹ごと倒されたものもあって
伐採された傷跡も生々しかった

ひと時休憩した後
私たちは再び北へ

日本海に沈む夕陽を見るために
宿泊先へと向かった

 2
ホテルにチェックインすると
車を走らせ、岬の山道を走って行った

この岬の頂きあたりで
海に沈む夕陽を見ることができると
遠い水平線をその下に見ることが出来ないかと

岬の山道を幾度も旋回し
沈みゆく夕陽に向かって
その景色を祈るように見つめ、眺めていた

 3
雲の合間から
夕陽は輝いていた

やがて、その下に張り出していた
岬の陰に隠れ
空と水平線の交差するあたりで
燃え尽きていくのを
私は、じっと 見つめていた