武器について

涙は女の武器だから

肝心かなめの争点をはぐらかして   

どこ吹く風と
達観していた一国の宰相がいる

彼の口からは
しばしば古臭い漢字熟語や
ことわざ
慣用句が出てきて

なるほどそうかと思わせたり
時に、失笑を買ったり することがある

どこかの市長も
年頭の辞などで
毎度、故事ことわざ、
四文字熟語を駆使し
職員に訓令するのだが

これは誰が考えたのか
本人が本当に知っていて使ったのかと
話の中身より
そんなことが話題になる

言葉は政治家の武器だから
いや、これは失言である

言葉は
時に
人の心をくぎ付けにし
人の心を惑わしもする

女の涙なぞより
もっとすばらしい武器だから

私も
このすばらしい武器を
負けてはならじと
毎日
磨いている