吾輩は猫である―猫たちにとっての戦争―

そもそも猫たちに戦争はあるのか
猫たちにとって戦争とは何か

考えてみると、この80年近く
この国には、戦後という言葉があって
吾輩もその言葉に甘んじて
惰眠を貪っていた

それが、祖国だったのだろうか
愛するものをだろうか
命かけて守らねばならぬ
戦争の時代は終わって

兵役をからくも免れていた
吾輩につながる猫の一族ではあるが

戦争中は野良となり
細々と命をつなぎ
あるいはわずかなおこぼれを頂き
ついに今日を迎えるに至ったのである

そして、世界に目を向けると
戦争の時代は今も続いていて
吾輩の仲間は戦々恐々と見守っている