寓話

ある国に、新しい服が大好きな王様がいました。

ある日お城に二人組の詐欺師が仕立て屋という触れ込みでやってきました。
王様の前に行き「私どもは世界一きれいな布を織り、すてきな服を作れる」というのです。
とてもきれいな色合いと模様をしているのだけれど、役立たずの者やおろかな者には透明で目に見えないのです。

王様はさっそくお金をたくさん用意し詐欺師に渡しました。
王様は三つ揃いの服にしようと言いました。
それで、この国の豊かさを示し王座をしっかりとしたものにしようと。

さてさて、この話、何かの話と似てますね。
違うのは、王様も詐欺師のことを知っていて、ひそかにお城に入れていたのです。

詐欺師はまんまとみんなをだまし、いよいよご存知、お披露目のパレードの開催です。

パレードのさなか、王様の服がウソだということが分かって、一斉に王様は裸だ、と言い出しましたが、
王様は並み居る人を馬鹿にし、役立たずといい、この三つ揃いの服は素晴らしいと言い張りました。

そして、次はもっと素敵な三つ揃いの服を作るのだと言い張っています。