つめ

つめが伸びているのに気づいた
こぶしを握ろうとすると
手のひらに爪が立つのである

時が経つのが速く感じる様になったのは
いつからだろう
これほどつめが伸びていく間に
僕は何をなしてきただろう

今日も糊口をしのぐ一日だったからと
言い訳をするのだろうか

古びたニュースを反すうしながら
つめを切り
その先に見え隠れするものを見つめ
こぶしを握りなおす